万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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古(いにしへ)に梁(やな)打つ人の無かりせば此処(ここ)もあらまし柘(つみ)の枝はも
右の一首は、若宮年魚麿(わかみやのあゆまろ)の作。
巻三(三八七)
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昔ここに「梁(やな)」を打って仕掛けた味稲がいなかったなら今もここに柘の枝があっただろうに…
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この歌も巻三(三八五)の歌などと同じく、「仙柘枝(やまひとつみのえ)の歌」と題された三首の歌のうちのひとつ。
作者の若宮年魚麿(わかみやのあゆまろ)は歌の伝誦の詞人であったらしく、山部宿禰赤人(やまのべのすくねあかひと)とも関係のあった人物のようです。
そんな若宮年魚麿の詠んだ一首ですが、「昔ここに「梁(やな)」を打って仕掛けた味稲がいなかったなら今もここに柘の枝があっただろうに…」と、先の巻三(三八六)の歌と同じく自身が柘の枝の美女を手にすることの出来なかったことを嘆いた歌となっています。
まあ、もちろん年魚麿も本気でこのように思っていたわけではないのでしょうけれど柘枝伝説の遠い昔に思いを馳せて楽しむその心情は、意現在のわれわれが年魚麿たちの歌を通して万葉の時代に思いを馳せる気持ちともどこか通じるものがあるようにも思えますよね。
以上「仙柘枝(やまひとつみのえ)の歌」三首の解説でした。
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万葉集巻三
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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