万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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京(みやこ)なる荒(あ)れたる家にひとり寝(ね)ば旅に益(まさ)りて苦しかるべし

巻三(四四〇)
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妻のいない都の家にひとりで寝たなら旅の身にもまして苦しいだろう
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この歌も巻三(四三八) や 巻三(四三九)の歌と同じく、大伴旅人(おほとものたびと)が大宰府に来てすぐに亡くなった妻を思って詠んだ三首の歌のうちの一首。
大宰師(大宰府の長官)としての三年ほどの任期を経て念願だった奈良の都への帰郷が許された旅人ですが、その喜びが逆に、共に都へ帰る妻は亡くなってもういないという現実をふたたび直視させたのかも知れませんね。

「旅に益(まさ)りて」とは、草を枕にする旅寝を念頭に置いて、妻の手枕の無い家はそんな草枕の旅寝よりも苦しいだろうとの意味です。
奈良の都への帰還に喜びを感じながらも「妻のいない都の家にひとりで寝たなら旅の身にもまして苦しいだろう」との思いは、老境の旅人の一方の本音だったのでしょう。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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