万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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大和(やまと)へに君が立つ日の近づけば野に立つ鹿(しか)も響(とよ)みてそ鳴く

右の二首は、大典麻田連陽春(だいてんあさだのむらじやす)

巻四(五七〇)
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大和にあなたが旅立つ日が近づけば野に立つ鹿も寂しげに声を響かせて鳴きます
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この歌も巻四(五六八)の歌などと同じく、大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)が大納言に任じられて奈良の都へ帰るときに、筑前国(つくしのみちのくのくに)の蘆城(あしき)の駅家(うまや)にて餞別の宴の席で詠まれた四首の歌のうちのひとつ。
先の巻四(五六九)の歌とおなじくこちらの歌の作者も、大典麻田連陽春(だいてんあさだのむらじやす)となっています。

歌の内容としては「大和にあなたが旅立つ日が近づけば野に立つ鹿も寂しげに声を響かせて鳴きます」との、旅人の旅立ちを寂しがる気持ちを鹿の鳴き声に託して詠んだ一首ですね。
もちろん、ほんとうに寂しがって泣いていたのは陽春だったのでしょう。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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