万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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春日山(かすがやま)朝立つ雲のゐぬ日無(な)く見まくのほしき君にもあるか

巻四(五八四)
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春日山に朝立つ雲のかからぬ日が無いようにいつでも見ていたいと思う君です。
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この歌も巻四(五八一) や 巻四(五八二)の歌と同じく、大伴坂上大嬢(おほとものさかのうへのいへのおほをとめ)が大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)に贈った四首の歌のうちの一首。
春日山は奈良にある三笠山を含めた春日山麓。
そんな「春日山の朝に立つ雲のかからぬ日が無いようにいつでもあなたを見ていたいのです」と、家持に逢いたいとの思いを託した一首ですね。
この「見まくのほしき君」にはおそらく、巻四(五八一)の歌の時のようにせめて夢でだけでも現れてほしいとの思いも込められているのでしょう。

巻四(五八一)の歌で、「生きていれば逢える日もあるでしょうに…」などと家持を諭しながら、結局は自分も家持に逢いたくて仕方がないという女心の切なさが素敵な一首ですよね。

ただ、この後数年間(八年ほどの間)、家持と大嬢が歌を交わした形跡はなく、しばらくこの二人の関係は途絶えてしまうのですが…
まあ、そのあたりについてはいずれまた。

以上、大伴坂上大嬢(大娘)が大伴家持に贈った四首の歌でした。


春日山麓。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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