万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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思はぬに妹(いも)が笑(ゑま)ひを夢(いめ)にみて心のうちに燃(も)えつつそをる

巻四(七一八)
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思いがけず君の笑顔を夢に見て、私の心の内は燃え続けています。
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この歌も巻四(七一四)の歌などと同じく、大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)が娘子(をとめ)に贈った七首の恋歌のうちの一首。
夢の中に笑顔の娘子が現れたことで、恋に希望が芽生えた喜びを素直な表現で詠っていますね。
巻四(七一六)の歌の解説でも書きましたが、この時代、夢に人が現れるというのはその人が自分のことを心に深く思っている表れだと信じられていました。
それゆえに、家持も自分の夢に娘子が現れたのは、娘子が自分を思ってくれているからだと信じたわけですね。
しかも笑顔で現れたのですから、下の句の「私の心の内は燃え続けています。」と家持が心から喜びさらに恋の炎を燃やしたのも当時としては当然のことだったのでしょう。

きっと、このように時々に希望を持てる出来事があったために、家持もつれない態度の娘子をいつまでも片思いに追いかけずにはいられなかったのでしょうね。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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