万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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わが宿(やど)に盛りに咲ける梅の花散るべくなりぬ見む人もがも

巻五(八五一)
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私の屋敷に盛りと咲いている梅の花は今にも散りそうだ。見る人がいてほしいものだなあ
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この歌も巻五(八四九)の歌などと同じく、「梅花(うめはな)の歌」二十三首(巻五:八一五 〜 八四六までを参照)の歌に追和して詠まれた四首の歌のうちのひとつ。
作者はおそらく大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)でしょう。

歌の内容は「私の屋敷に盛りと咲いている梅の花は今にも散りそうだ。見る人がいてほしいものだなあ」と、こちらでも先の巻五(八五〇)の歌と同様に盛りに咲いて散りそうになっている梅の花を惜しむ一首となっています。
結句の「見むひともがも」は巻五(八五〇)の歌とまったくおなじ表現の繰り返しになっていますが、それゆえにこの部分に込められた旅人の思いの深さも感じ取れますね。

どれほどに美しい梅の花も住み慣れた奈良の都から遠く離れ、妻を亡くして独り身で眺める旅人には心から楽しむということは出来なかったのかも知れません。


わが宿に盛りに咲ける梅の花散るべくなりぬ見む人もがも


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万葉集巻五の他の歌はこちらから。
万葉集巻五


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1145円(税別)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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