万葉集入門
万葉集入門
現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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たまきはる命(いのち)に向ひ恋ひむゆは君がみ船の楫柄(かぢから)にもが

巻八(一四五五)
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霊魂の極まる命のかぎりに恋い慕っているぐらいならあなたの乗って行かれる船の梶の柄になりたいものです
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この歌も先の巻八(一四五四)の歌と同じく、笠朝臣金村(かさのあそみかなむら)が遣唐使に贈った巻八(一四五三)の長歌につけられた反歌のうちのひとつ。
歌の内容は「霊魂の極まる命のかぎりに恋い慕っているぐらいならあなたの乗って行かれる船の梶の柄になりたいものです」と、命がけで恋い慕っているぐらいならあなたの乗って行かれる船の梶の柄にでもなって一緒に行きたいとの思いを詠った一首となっています。

「たまきはる」は「命」にかかる枕詞。
「恋ひむゆ」の「ゆ」は「より」と同じ意味。
そんな「命のかぎりに恋い慕っているよりは」と、まるで女性が恋人を旅に送り出すかのような切ない心情が詠われていますが、遣唐使たちの航海もまさに命がけでしたしそんな危険な航海に遣唐使たちを送り出す笠金村の別れを惜しむ気持ちがよく表れている一首ですよね。


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万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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