万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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わが屋戸(やど)の花橘に霍公鳥今こそ鳴かめ友に逢へる時

巻八(一四八一)
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わが家の花橘にやって来て霍公鳥よ、今こそ鳴いてくれ。友と逢っているこの時に。
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この歌も先の巻八(一四八〇)の歌と同じく、大伴書持(おおとものふみもち)が詠んだ二首の歌のうちのひとつです。
歌の内容は「わが家の花橘にやって来て霍公鳥よ、今こそ鳴いてくれ。友と逢っているこの時に。」と、友も来ているこの時にこそ霍公鳥に鳴いてほしいとの願いを詠った一首となっています。

これは友人に霍公鳥の声を聞かせたいとのもてなしの気持ちと、友人といる楽しい時間をさらに素敵なものにしたいとの思いなどが込められているのでしょうね。
「花橘」とは蜜柑類の花のことですが、書持の兄の家持も巻八(一四七八)の歌で「わが屋戸の花橘」と詠っており、共に同じ大伴家の屋敷に咲く花橘を詠ったものでしょうか。
そんな家持の歌との関係なども考えながら読むと、また別の魅力も見えて来る一首ですよね。


花橘。


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万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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