万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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たまきはる宇智の大野に馬並めて…
たまきはる宇智の大野(おほの)に馬並(な)めて朝踏ますらむその草深野(くさふかの)
巻一(四)
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(魂の極まる命)宇智の広々とした野に馬を連ねて朝に踏んでおられるでしょう、その草深い野を
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この歌は先の巻一(四)の歌につけられた反歌です。
作者はおそらく長歌と同じく中皇女の間人老でしょう。
「たまきわる」は宇智にかかる枕詞で「魂の極まる命(うち)」といった意味を持ちます。
(枕詞については巻一(二十四)も参照)
宇智の野を馬を駆って天皇は朝の草深い野を踏んで居られるだろうと、現代語訳してしまっては単純な一首ですが、その意味を思い浮かべながらもとの歌を何度も口ずさんでいただければこの歌に込められた深い「想い」を感じ取っていただけるかと思います。
反歌とはこのように長歌とおなじ意味の内容を繰り返すことで、その言霊としての効力をさらに深めようとしたものだったのかも知れませんね。
奈良県御所市の荒坂峠にあるこの歌の歌碑。
ちょっと分かりにくい場所に立っていますが、もしも歌碑見学に行かれるときは「奈良カントリークラブ」というゴルフ場を目印にされるといいでしょう。
「奈良カントリークラブ」の前の道を、カントリークラブ入り口に向かって立ったときに右の方向に500メートルほど下った場所に歌碑はあります。
このように道沿いの開けた場所なのですが、カーブの内側なので僕は一度目に通ったときは見逃してしまいました。
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万葉集巻一の他の歌はこちらから。
万葉集巻一
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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