万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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雲に飛ぶ薬はむよは都見ばいやしき吾(あ)が身また変若(を)ちぬべし

巻五(八四八)
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雲の上を飛ぶような仙薬を飲むよりは一目都を見たほうが賤しい私の身も若返ることでしょう
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この歌も先の巻五(八四七)の歌と同じく、「故郷(ふるさと)を思(しの)へる両歌」と題された二首の歌のうちのひとつ。
この歌も作者はおそらく大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)と思われ、奈良の都にいる吉田宜(よしだのよろし)に贈った「梅花(うめはな)の歌」二十三首(巻五:八一五 〜 八四六までを参照)の歌に付録として添えたようです。

歌の内容は「雲の上を飛ぶような仙薬を飲むよりは一目都を見たほうが賤しい私の身も若返ることでしょう」と、先の巻五(八四七)の歌の内容を引き継いで奈良の都を一目でも見ることが出来ればこの身も若返るだろうに…との心情を詠っています。

「梅の花の歌」を詠み交わす宴を開くなど後の世に筑紫歌壇とも呼ばれる華やかな大宰府での日々を送りながらも、旅人の心には常に故郷の奈良の都への郷愁があったようですね。
「一目都を見たほうが私の身も若返ることでしょう」との下の句の言葉に、そんな旅人の深い思いがよく表れているように感じます。


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万葉集巻五の他の歌はこちらから。
万葉集巻五


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1145円(税別)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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