万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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松浦の仙媛(やまひめ)の歌に和へたる一首

君を待つ松浦の浦の娘子(をとめ)らは常世(とこよ)の国の天娘子(あまをとめ)かも

巻五(八六五)
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あなたを待つという松浦川の浦の少女たちはきっと神仙の国の天女ですね
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この歌も先の巻五(八六四)の歌と同じく、大宰府の大伴旅人(おほとものたびと)からの書簡に、奈良の都の吉田宜(よしだのよろし)が返書した手紙(吉田宜書簡を参照)に添えられた歌のうちのひとつ。

巻五(八六四)の歌は旅人が書簡に添えた「梅花(うめはな)の歌」に宜が追和したものでしたが、こちらの巻五(八六五)の歌は「松浦河に遊ぶ」の歌(巻五:八五三 〜 八六三までを参照)のほうに追和した内容となっています。

歌の内容は「あなたを待つという松浦川の浦の少女たちはきっと神仙の国の天女ですね」と、「松浦河に遊ぶ」の主人公の男を待つという巻五(八六〇)の娘子の歌を念頭に、さらに「待つ」から同音で「松浦(まつら)」に繋げたなかなかに技巧の効いた一首ですね。
「松浦河に遊ぶ」の一篇の中では少女たちの正体についてははっきりと詠われませんでしたが、神仙の国の天女であろうと推測しているところも多くの読者の推測に一致して、共感を得る内容となっているように思います。


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万葉集巻五


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1145円(税別)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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