万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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何為(なにせ)むと違(たが)ひはをらむ否(いな)も諾(を)も友の並々(なみなみ)われも寄りなむ 五

巻十六(三七九八)
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どうして異など唱えましょう。「はい」も「いいえ」も仲間と一緒、私も翁の教えに従いましょう
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この歌も、巻十六(三七九四)の歌などと同じく、竹取の翁が詠んだ万葉集巻十六(三七九一)の長歌と二首の歌に、九人の仙女たちが和えて詠んだ歌の一つ。
「どうして異論などありましょう。「はい」も「いいえ」も仲間と一緒、私も翁の教えに従いましょう」と、この仙女もまた竹取の翁の教えに従うことを宣言しています。

「否(いな)も諾(を)も」は巻十六(三七九六)の歌でも使われた表現で、また「友の並々(仲間と一緒)」も巻十六(三七九七)の内容に追随したものですが、同じような内容を繰り返すことで印象を強め、さらに歌物語に統一感を生み出しているのでしょう。
この歌も内容としてはとくに優れたものではありませんが、歌物語として通して読んだ時には他の歌と響き合ってお互いを補強し合う効果を高める力を持った一首のようにも思います。


奈良県広陵町にある竹取公園には、このような竪穴式住居と高床式倉庫が復元されています。
実際に発掘された場所は遙か北東方向にある広陵町大字萱野の奈良県第2浄化センター建設場所だそうですが、竪穴式住居などは飛鳥時代に入っても一般には使われていたそうなので、あるいは竹取の翁もこのような住居に暮らしていたのかも知れませんね。



竪穴式住居と高床式倉庫の解説。
どちらも古墳時代後期のものだそうです。


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万葉集巻十六の他の歌はこちらから。
万葉集巻十六


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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