万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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くしろ着く手節(たふし)の崎に今日もかも大宮人の玉藻(たまも)刈るらむ
巻一(四一)
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くしろを着けた手節の岬で今日も大宮人たちは玉藻を刈っているだろうか
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この歌はとくべつな題詞はつけられていませんが、巻一(四〇)の歌と同じく持統天皇が伊勢に行幸された際に、飛鳥の京に残った柿本朝臣人麿(かきのもとのあそみひとまろ)が詠んだものとみて間違いないでしょう。
おそらく、巻一(四〇) 〜 巻一(四二)までが人麿が詠んだもので、それ以降の巻一(四三) 、 巻一(四四)の歌もこの時の持統天皇の伊勢行幸に関連した一連の歌かと思われます。
「くしろ」は金属や石などの腕輪のことで手につけることから「手節の崎」を引き出しています。
「手節の崎」は三重県鳥羽市東方の答志(とうし)島のこと。
そんな「手節の崎で大宮人たちは今日も玉藻を刈っているだろうか」と、行幸に従駕した人々の旅先での無事を祈って詠んだ一首ですね。
本来、宮廷歌人であったと思われる人麿ですが、持統天皇からの命もないのに勝手に天皇の行幸の無事を祈る歌を詠むのは畏れ多いと感じたためでしょうか、このように行幸に従駕した人々の無事を祈ることで天皇の行幸そのものの無事をも祈ったのではないかと思われます。
それにしても、重厚な「調べ(リズム)」がいかにも柿本人麿らしい一首ですよね。
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万葉集巻一
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県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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