万葉集入門
明日香村へ行こう
万葉集の故郷、奈良県明日香村やその周辺の史跡などを紹介しています。
机の上での鑑賞だけでなく、ぜひみなさんも万葉集の歌が詠まれた現地を訪れて歌の心に触れてみてください。
(解説:黒路よしひろ)

スポンサード リンク


神なび(かむなび)

「神なび」とは神のいます所、神の宿る所の意味で、『祝詞』の「出雲国 造賀詞(いずものくにのみやつこかむよごと)」によると、三輪(大神神社)、葛城の鴨(高鴨神社)、宇奈堤(河俣神社)、飛鳥の神なびの四つの神なびが挙げられています。
このうち、飛鳥の神なびのみが現在ではどこをさすのか伝わっておらず、甘樫丘や雷丘がそれではないかと言われてきました。

ただ、最近になって橘寺裏に広がるミハ山こそが飛鳥の神なびではないかとの説もとなえられています。

ミハ山


伝板蓋宮跡こと飛鳥浄御原宮から南に眺めたミハ山。
神なびとは神のいます場所として人々から崇められる土地であり、宮のあるこの位置から目の前に見えることも、ミハ山が飛鳥の神なびである証のようにも思えます。



祝戸から見たミハ山。
ミハ山は祝戸のマラ石と対になっているとも言われ、その形からフグリ山とも呼ばれます。



こちらはミハ山の麓近くにある奇石、マラ石。
子孫繁栄や五穀豊穣を祈ってのものとか…



マラ石とミハ山(フグリ山)の解説。



ミハ山の東展望台(石舞台の南)ちかくにはこのような岩の集まった場所があります。
神なびのひとつである三輪山の頂にも「中津盤座(なかついわくら)」や「奥津磐座(おきついわくら)」など、神々の住む場所としてよく似た磐座(いわくら)が祭られていることから、僕もこのミハ山こそが飛鳥の神なびではないかと思っています。

ミハ山には祝戸の祝戸荘のある歴史公園などから登ることが出来ます。
少し険しいですが、石舞台横の公園の南から登るのも近道です。
(ミハ山とはどこにも紹介されていませんが、石舞台裏の展望台と紹介されている丘陵地がミハ山です。)


飛鳥以外の神なび
ここでは飛鳥以外の神なびについても紹介しておきます。

三輪山(大神神社)
三輪山は額田王の歌でも知られているように、奈良県桜井市にあり古来から神の山として崇められてきました。


奈良県桜井市にある三輪山
白い蛇の姿をした大物主神が住むといわれています。



三輪山の麓にある大神神社(おおみわじんじゃ)拝殿。
大神神社には本殿はなく、背後にそびえる三輪山自体が神の山として祭られています。



狭井神社境内にある三輪山登拝口
三輪山には大神神社の北にある狭井神社で登拝料300円を納め受付(午後14:00で受付終了)をして登拝することが出来ます。
登山ではなくあくまでも神聖な山への参拝目的の立ち入りであるため、登拝中は水以外を口にすることも写真撮影することも禁止です。
また特別な祭典の日には登拝出来ないので、もし登拝を希望される方は事前にお調べになることをおすすめします。

三輪山は一見、それほど高くない様にも見えますが、実際には方道一時間はかかるかなり険しい山道なので、もし登拝される方はしっかりとした準備をされておかれたほうがよいと思います。

三光の滝や、行程の中ほどにある「中津盤座(なかついわくら)」、山頂の高宮神社(こうのみやじんじゃ)、「奥津磐座(おきついわくら)」など、実際に登拝したものしか経験することの出来ない神聖な空気を肌で感じることが出来ます。



高鴨神社
高鴨神社は大和の西に連なる葛城山脈の南の端、金剛山の麓にある神社です。


葛城山脈の南の端、金剛山麓にある高鴨神社。
上賀茂神社や下鴨神社など、現在も各地に存在する鴨系神社の総社で名神大社です。
全国に存在する鴨(加茂・賀茂)神社や加茂という地名はこの地に住んでいた鴨一族が各地に移り住んで広めたものだといわれています。



高鴨神社解説。
近くには天孫降臨伝説のある高天原(たかまがはら)なども存在する神秘的な土地です。


河俣神社
現在は雲梯(うなて)の住宅地の中にひっそりと佇む「河俣神社」もかつては宇奈堤(うなで)の杜と呼ばれた神なびのひとつです。


雲梯(うなて)の杜「河俣神社」
境内には巻12(3100)の歌の万葉歌碑もあります。



河俣神社は蘇我川のほとりにひっそりと佇んでいます。

現在ではここが神なびであったことを知る人も少なく(そもそも神なびの存在自体知る人がほとんどいませんが)、特別の案内板なども存在しない為に地元の人以外はほとんど訪れる人もいないようですが、由緒ある神社ですのでみなさんも機会があったらぜひ訪れてみて下さい。
少し分かりにくい場所にありますが、橿原市曲川の大型ショッピングセンター「イオン・モール」の南東方向に位置するので、「イオン・モール」の北側の道を東に進み、蘇我川沿いに南に少し進めばわかりやすいかも…


明日香村
甘樫丘  雷丘  橘寺

石舞台  亀石  額田王の墓(植山古墳)

酒船石  亀形石造物  飛鳥寺

飛鳥坐神社  くつな石  都塚古墳

神なび  良助親王冬野墓

犬養万葉記念館

万葉集入門 明日香村へ行こう(トップページへ戻る)

当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2008 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)


スポンサード リンク