万葉集入門
万葉集入門
現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(サイト制作者:黒路よしひろ)

万葉集入門(トップページへ戻る)


万葉集全巻一覧
万葉集全歌一覧(巻一 〜 巻四)

万葉集全歌一覧(巻五 〜 巻八)
(万葉集の全歌一覧ページです。)


万葉集全巻一覧

巻一  巻二  巻三  巻四

巻五  巻六  巻七  巻八

巻十六

(他の巻もまた追加していきます)

スポンサード リンク


万葉集巻五

七九三:世の中は空しきものと知る時し
(大伴旅人)

蓋し聞く、四生の起き滅ぶることは
(山上憶良?)

七九四:大君の 遠の朝廷と しらぬひ 筑紫の国に
(山上憶良)


七九五:家に行きて如何にか吾がせむ枕づく
(山上憶良)


七九六:愛しきよしかくのみからに慕ひ来し
(山上憶良)


七九七:悔しかもかく知らませばあをによし
(山上憶良)

七九八:妹が見し楝の花は散りぬべし
(山上憶良)

七九九:大野山霧立ち渡るわが嘆く
(山上憶良)

八〇〇:父母を 見れば尊し 妻子見れば まぐし愛し
(山上憶良)

八〇一:ひさかたの天路は遠しなほなほに
(山上憶良)

八〇二:瓜食めば 子供思ほゆ 栗食めば まして思はゆ
(山上憶良)

八〇三:銀も金も玉も何せむに
(山上憶良)

八〇四:世間の 術なきものは 年月は 流るる如し
(山上憶良)

八〇五:常盤なすかくしもがもと思へども
(山上憶良)

八〇六:龍の馬も今も得てしかあをによし
(大伴旅人)

八〇七:現には逢ふよしも無しぬばたまの
(大伴旅人)


八〇八:龍の馬を吾は求めむあをによし
(作者不明)


八〇九:直に逢はず在らくも多く敷栲の
(作者不明)


八一〇:如何にあらむ日の時にかも声知らむ
(大伴旅人)

八一一:言問はぬ樹にはありともうるはしき
(大伴旅人)

八一二:言問はぬ木にもありともわが背子が
(藤原房前)

八一三:懸けまくは あやに畏し 足日女 神の命
(山上憶良)

八一四:天地の共に久しく言ひ継げと
(山上憶良)

梅の花の歌序
(大伴旅人)

八一五:正月立ち春の来らばかくしこそ
(紀卿〔紀男人?〕)


八一六:梅の花今咲ける如散り過ぎず
(小野老)


八一七:梅の花咲きたる園の青柳は
(粟田人上)


八一八:春さればまづ咲く庭の梅の花
(山上憶良)


八一九:世の中は恋繁しゑやかくしあらば
(大伴大夫〔大伴三依?〕)


八二〇:梅の花今盛りなり思ふどち
(葛井大成)


八二一:青柳梅との花を折りかざし
(沙弥満誓)


八二二:わが園に梅の花散るひさかたの
(大伴旅人)


八二三:梅の花散らくは何処しかすがに
(大伴百代)


八二四:梅の花散らまく惜しみわが園の
(阿氏奥島〔阿倍奥島?〕)


八二五:梅の花咲きたる庭の青柳を
(土氏百村〔土師百村?〕)


八二六:うち靡く春の柳とわが宿の
(史氏大原)


八二七:春されば木末隠れて鶯そ
(山口若麿〔山口若麻呂〕)


八二八:人毎に折り插頭しつつ遊べども
(丹氏麿)


八二九:梅の花咲きて散りなば桜花
(張氏福子〔張福子?〕)


八三〇:万代に年は来経とも梅の花
(佐氏子首)


八三一:春なれば宜も咲きたる梅の花
(板氏安麻呂〔板持安麻呂?〕)


八三二:梅の花折りてかざせる諸人は
(荒氏稲布)


八三三:毎年に春の来らばかくしこそ
(野氏宿奈麻呂〔小野淑奈麻呂?〕)


八三四:梅の花今盛りなり百鳥の
(田氏肥人)


八三五:春さらば逢はむと思ひし梅の花
(高氏義通)


八三六:梅の花手折り插頭して遊べども
(礒氏法麻呂〔礒氏法麿〕)


八三七:春の野に鳴くや鶯懐けむと
(志紀大道)


八三八:梅の花散り乱ひたる岡傍には
(榎氏鉢麻呂〔榎氏鉢麿〕)


八三九:春の野に霧り立ち渡り降る雪と
(田氏真神)


八四〇:春柳蘰に折りし梅の花
(目村氏彼方)


八四一:鶯の声聞くなへに梅の花
(高向村主老)


八四二:わが宿の梅の下枝に遊びつつ
(高氏海人)


八四三:梅の花折り插頭しつつ諸人の
(土師氏御道)


八四四:妹が家に雪かも降ると見るまでに
(小野国堅)


八四五:鶯の待ちかてにせし梅が花
(門部石足)


八四六:霞立つ長き春日を插頭せれど
(小野田守)


八四七:わが盛りいたく降ちぬ雲に飛ぶ
(大伴旅人)


八四八:雲に飛ぶ薬はむよは都見ば
(大伴旅人)


八四九:残りたる雪にまじれる梅の花
(大伴旅人)


八五〇:雪の色を奪ひて咲ける梅の花
(大伴旅人)


八五一:わが宿に盛りに咲ける梅の花
(大伴旅人)


八五二:梅の花夢に語らく風流びたる
(大伴旅人)


松浦河に遊ぶの序
(大伴旅人)

八五三:漁する海人の児どもと人はいへど
(蓬客〔大伴旅人?〕)

八五四:玉島のこの川上に家はあれど
(娘子〔大伴旅人?〕)

八五五:松浦川川の瀬光り鮎釣ると
(蓬客)


八五六:松浦なる玉島川に鮎釣ると
(蓬客)


八五七:遠つ人松浦の川に若鮎釣る
(蓬客)


八五八:若鮎釣る松浦の川の川波の
(娘子)


八五九:春されば吾家の里の川門には
(娘子)


八六〇:松浦川七瀬の淀はよどむとも
(娘子)


八六一:松浦川川の瀬早み紅の裳の
(大伴旅人)


八六二:人皆の見らむ松浦の玉島を
(大伴旅人)


八六三:松浦川玉島の浦に若鮎釣る
(大伴旅人)

吉田宜書簡
(吉田宜)

八六四:後れ居て長恋ひせずは御園生の
(吉田宜)


八六五:君を待つ松浦の浦の娘子らは
(吉田宜)


八六六:遙遙に思ほゆるかも白雲の
(吉田宜)


八六七:君が行日長くなりぬ奈良路なる
(吉田宜)


八六八:松浦県佐用比売の子が領巾振りし
(山上憶良)


八六九:帯日売神の命の魚釣らすと
(山上憶良)


八七〇:百日しも行かぬ松浦路今日行きて
(山上憶良)


八七一:遠つ人松浦佐用姫夫恋に
(大伴旅人?)


八七二:山の名と言ひ継げとかも佐用姫が
(大宰府某官人)


八七三:万代に語り継げとしこの岳に
(大宰府某官人)


八七四:海原の沖行く船を帰れとか
(山上憶良)


八七五:行く船を振り留みかね如何ばかり
(山上憶良)


八七六:飛ぶや鳥にもがもや都まで
(山上憶良)

八七七:人もねのうらぶれ居るに龍田山
(山上憶良)

八七八:言ひつつも後こそ知らめとのしくも
(山上憶良)

八七九:万代に坐し給ひて天の下
(山上憶良)

八八〇:天ざかる鄙に五年住ひつつ
(山上憶良)

八八一:かくのみや息衝き居らむあらたまの
(山上憶良)

八八二:吾が主の御霊給ひて春さらば
(山上憶良)

八八三:音に聞き目にはいまだ見ず佐用姫が
(三島王)


八八四:国遠き道の長手をおほほしく
(麻田陽春)


八八五:朝霧の消易きあが身他国に
(麻田陽春)


敬みて熊凝の為に其の志を述べたる歌に和へたる六首并せて序
(山上憶良)


八八六:うち日さす 宮へ上ると たらちしや 母が手離れ
(山上憶良)


八八七:たらちしの母が目見ずて欝しく
(山上憶良)


八八八:常知らぬ道の長手をくれくれと
(山上憶良)


八八九:家に在りて母がとり見ば慰むる
(山上憶良)


八九〇:出でて行きし日を数えつつ今日今日と
(山上憶良)


八九一:一世には二遍見えぬ父母を
(山上憶良)


八九二:風雑り 雨降る夜の 雨雑り 雪降る夜は 術になく
(山上憶良)

八九三:世間を憂しとやさしと思へども
(山上憶良)

八九四:好去好来の歌 神代より 言ひ伝て来らく そらみつ
(山上憶良)


八九五:大伴の御津の松原かき掃きて
(山上憶良)


八九六:難波津に御船泊てぬと聞え来ば
(山上憶良)


沈痾自哀の文
(山上憶良)


俗道悲嘆の詩
(山上憶良)


八九七:たまきはる 現の限は 〔瞻浮州の人の寿の一百二十年なるを謂ふ〕
(山上憶良)


八九八:慰むる心はなしに雲隠り
(山上憶良)

八九九:術も無く苦しくあれば出で走り
(山上憶良)

九〇〇:富人の家の児どもの着る身無み
(山上憶良)

九〇一:荒栲の布衣をだに着せかてに
(山上憶良)

九〇二:水沫なす微しき命も栲繩の
(山上憶良)


九〇三:倭文手纏数にも在らぬ身には在れど
(山上憶良)


九〇四:男子の、名は古日に恋ひたる歌三首
(山上憶良)


九〇五:稚ければ道行き知らじ幣は為む
(山上憶良)


九〇六:布施置きてわれは乞ひ祈む欺かず
(山上憶良)


巻五:完
巻五についても今後もまた各歌の解説で写真などを追加していく予定です。


万葉集巻六

九〇七:滝の上の 御舟の山に 瑞枝さし 繁に生ひたる
(笠金村)

九〇八:毎年にかくも見てしかみ吉野の
(笠金村)

九〇九:山高み白木綿花に落ち激つ
(笠金村)

九一〇:神柄か見が欲しからむみ吉野の
(笠金村)

九一一:み吉野の秋津の川の万世に
(笠金村)

九一二:泊瀬女の造る木綿花み吉野の
(笠金村)


九一三:味ごり あやに羨しく 鳴る神の 音のみ聞きし
(車持千年)

九一四:滝の上の三船の山は畏けど
(車持千年)

九一五:千鳥鳴くみ吉野川の川音なす
(車持千年)


九一六:茜さす日並べなくにわが恋は
(車持千年)

九一七:やすみしし わご大君の 常宮と 仕へまつれる
(山部赤人〔山辺赤人〕)


九一八:沖つ島荒磯の玉藻潮干満ちて
(山部赤人〔山辺赤人〕)


九一九:若の浦に潮満ち来れば潟を無み
(山部赤人〔山辺赤人〕)


九二〇:あしひきの み山もさやに 落ち激つ 吉野の川の
(笠金村)


九二一:万世に見とも飽かめやみ吉野の
(笠金村)


九二二:皆人の命もわれもみ吉野の滝の
(笠金村)


九二三:やすみしし わご大君の 高知らす 吉野の宮は
(山部赤人〔山辺赤人〕)

九二四:み吉野の象山の際の木末には
(山部赤人〔山辺赤人〕)


九二五:ぬばたまの夜の更けぬれば久木生ふる
(山部赤人〔山辺赤人〕)


九二六:やすみしし わご大君は み吉野の 秋津の
(山部赤人〔山辺赤人〕)


九二七:あしひきの山にも野にも御猟人
(山部赤人〔山辺赤人〕)


九二八:押し照る 難波の国は 葦垣の 古りにし郷と
(笠金村)

九二九:荒野らに里はあれども大君の
(笠金村)

九三〇:海少女棚無し小舟漕ぎ出らし
(笠金村)

九三一:鯨魚取り 浜辺を清み うちなびき 生ふる玉藻に
(車持千年)

九三二:白波の千重に来寄する住吉の
(車持千年)


九三三:天地の 遠きが如く 日月の 長きが如く
(山部赤人〔山辺赤人〕)


九三四:朝凪に梶の音聞ゆ御食つ国
(山部赤人〔山辺赤人〕)


九五五:さす竹の大宮人の家と住む
(石川足人)

九五六:やすみししわご大君の食国は
(大伴旅人)

九五七:いざ子供香椎の潟に白妙の
(大伴旅人)

九五八:時つ風吹くべくなりぬ香椎潟
(小野老)

一〇〇九:橘は実さへ花さへその葉さへ
(聖武天皇)

一〇一〇:奥山の真木の葉凌ぎ降る雪の
(橘奈良麿〔橘奈良麻呂〕)

一〇一八:白珠は人に知らえず知らずともよし
(元興寺の僧)


一〇二四:長門なる沖つ借島奥まへて
(巨曾部対馬)

一〇二五:奥まへてわれを思へるわが背子は
(橘諸兄)

一〇二六:ももしきの大宮人は今日もかも
(豊島采女)

一〇二六:橘の本に道履む八衢に
(三方沙弥)

一〇二八:大夫の高円山に迫めたれば
(大伴坂上郎女)


一〇二九:河口の野辺に廬りて夜の経れば
(大伴家持)


一〇三七:今造る久邇の都は山川の
(大伴家持)


(巻六についてもまた追加して行きますね)


万葉集巻七

一〇六八:天の海に雲の波立ち月の船
(柿本朝臣人麿歌集〔柿本朝臣人麻呂歌集〕)

一〇八七:痛足川川波立ちぬ巻目の
(柿本朝臣人麿歌集〔柿本朝臣人麻呂歌集〕)

一〇八八:あしひきの山川の瀬の響るなへに
(柿本朝臣人麿歌集〔柿本朝臣人麻呂歌集〕)


一〇九二:鳴神の音のみ聞きし巻向の
(柿本朝臣人麿歌集〔柿本朝臣人麻呂歌集〕)

一〇九三:三諸のその山並に子らが手を
(柿本朝臣人麿歌集〔柿本朝臣人麻呂歌集〕)

一〇九四:我が衣色つけ染めむ味酒
(柿本朝臣人麿歌集〔柿本朝臣人麻呂歌集〕)

一〇九五:三諸つく三輪山見れば隠口の
(作者不明)

一一一八:いにしへにありけむ人もわが如か
(柿本朝臣人麿歌集〔柿本朝臣人麻呂歌集〕)

一一一九:往く川の過ぎにし人の手折らめば
(柿本朝臣人麿歌集)

一一二〇:み吉野の青根が峰の蘿蓆
(作者不明)

一一二一:妹らがりわが通ひ路の細竹薄
(作者不明)

一一三〇:神さぶる磐根こごしきみ吉野の
(作者不明)

一一三一:皆人の恋ふるみ吉野今日見れば
(作者不明)

一一三二:夢のわだ言にしありけり現にも
(作者不明)

一一三三:皇祖神の神の宮人冬薯蕷葛
(作者不明)

一一三四:吉野川石と柏と常盤なす
(作者不明)

一一三五:宇治川は淀瀬無からし網代人
(作者不明)


一一三六:宇治川に生ふる菅藻を川早み
(作者不明)


一一三七:宇治人の譬への網代われならば
(作者不明)


一一三八:宇治川を船渡せをと呼ばへども
(作者不明)


一一三九:ちはや人宇治川波を清みかも
(作者不明)


一一九二:白栲ににほふ信土の山川に
(作者不明)

一一九三:背の山に直に向へる妹の山
(作者不明)

一二〇九:人ならば母の最愛子そあさもよし
(作者不明)
※1:この歌以降の順番は紀州本に従います。

一二一〇:吾妹子にわが恋ひ行けば羨しくも
(作者不明)

一二〇八:妹に恋ひわが越え行けば背の山の
(作者不明)

(巻七についてもまた追加して行きますね)


万葉集巻八

一四一八:石ばしる垂水の上のさ蕨の
(志貴皇子)

一四一九:神奈備の伊波瀬の杜の呼子鳥
(鏡王女)

一四二〇:沫雪かはだれに降ると見るまでに
(駿河采女)

一四二一:春山の咲きのををりに春菜つむ
(尾張連)

一四二二:うちなびく春来るらし山の際の
(尾張連)

一四二三:去年の春掘じて植ゑしわが屋外の
(阿倍広庭)

一四二四:春の野にすみれ摘みにと来しわれそ
(山部赤人〔山辺赤人〕)

一四二五:あしひきの山桜花日並べて
(山部赤人〔山辺赤人〕)

一四二六:わが背子に見せむと思ひし梅の花
(山部赤人〔山辺赤人〕)

一四二七:明日よりは春菜摘まむと標めし野に
(山部赤人〔山辺赤人〕)

一四二八:おし照る 難波を過ぎて うちなびく 草香の山を
(作者不明)

一四二九:嬢子らが 插頭のために 遊士が 蘰のためと
(作者不明)

一四三〇:去年の春逢へりし君に恋ひにてし
(作者不明)

一四三一:百済野の萩の古枝に春待つと
(山部赤人〔山辺赤人〕)

一四三二:わが背子が見らむ佐保道の青柳を
(大伴坂上郎女)

一四三三:うちのぼる佐保の川原の青柳は
(大伴坂上郎女)

一四三四:霜雪(しもゆき)もいまだ過ぎねば思はぬに
(大伴三林)

一四三五:蛙鳴く甘奈備川に影見えて
(厚見王)

一四三六:含めりと言ひし梅が枝今朝降りし
(大伴村上)

一四三七:霞立つ春日の里の梅の花
(大伴村上)

一四三八:霞立つ春日の里の梅の花
(大伴駿河麿〔大伴駿河麻呂〕)

一四三九:時は今は春になりぬとみ雪降る
(中臣武良自)

一四四〇:春雨のしくしく降るに高円の
(河辺東人)

一四四一:うち霧らし雪は降りつつしかすがに
(大伴家持)

一四四二:難波辺に人の行ければ後れ居て
(丹比屋主真人〔丹比真人屋主〕)

一四四三:霞立つ野の上の方に行きしかば
(丹比真人乙麿)

一四四四:山吹の咲きたる野辺のつぼすみれ
(高田女王)

一四四五:風交り雪は降るとも実にならぬ
(大伴坂上郎女)

一四四六:春の野にあさる雉の妻恋に
(大伴家持)

一四四七:尋常に聞くは苦しき呼子鳥
(大伴坂上郎女)

一四四八:わが屋戸に蒔きし瞿麦いつしかも
(大伴家持)

一四四九:茅花抜く浅茅が原のつぼすみれ
(大伴田村大嬢)

一四五〇:情ぐきものにそありける春霞
(大伴坂上郎女)

一四五一:水鳥の鴨の羽の色の春山の
(笠女郎)

一四五二:闇夜ならば宜も来まさじ梅の花
(紀女郎)

一四五三:玉襷 懸けぬ時無く 息の緒に わが思ふ君は
(笠金村)

一四五四:波の上ゆ見ゆる小島の雲隠り
(笠金村)

一四五五:たまきはる命に向ひ恋ひむゆは
(笠金村)

一四五六:この花の一枝のうちに百種の
(藤原広嗣)

一四五七:この花の一枝のうちは百種の
(娘子)

一四五八:屋戸にある桜の花は今もかも
(厚見王)

一四五九:世間も常にしあらねば屋戸にある
(久米女郎)

一四六〇:戯奴〔変してわけと云ふ〕がためわが手もすまに春の野に
(紀女郎)

一四六一:昼は咲き夜は恋ひ寝る合歓木の花
(紀女郎)

一四六二:わが君に戯奴は恋ふらし賜りたる
(大伴家持)

一四六三:吾妹子が形見の合歓木は花のみに
(大伴家持)

一四六四:春霞たなびく山の隔れれば
(大伴家持)

一四六五:霍公鳥いたくな鳴きそ汝が声を
(藤原夫人)

一四六六:神名火の磐瀬の杜の霍公鳥
(志貴皇子)

一四六七:霍公鳥無かる国にも行きてしか
(弓削皇子)

一四六八:霍公鳥声聞く小野の秋風に
(広瀬王)

一四六九:あしひきの山霍公鳥汝が鳴けば
(沙彌)

一四七〇:もののふの石瀬の杜の霍公鳥
(刀理宣令)

一四七一:恋しけば形見にせむとわが屋戸に
(山部赤人〔山辺赤人〕)

一四七二:霍公鳥来鳴き響もす卯の花の
(石上堅魚)

一四七三:橘の花散る里の霍公鳥
(大伴旅人)

一四七四:今もかも大城の山に霍公鳥
(大伴坂上郎女)

一四七五:何しかもここだく恋ふる霍公鳥
(大伴坂上郎女)

一四七六:独り居てもの思ふ夕に霍公鳥
(小治田広耳)

一四七七:卯の花もいまだ咲かねば霍公鳥
(大伴家持)

一四七八:わが屋戸の花橘の何時しかも
(大伴家持)

一四七九:隠りのみ居ればいぶせみ慰むと
(大伴家持)

一四八〇:わが屋戸に月おし照れり霍公鳥
(大伴書持)

一四八一:わが屋戸の花橘に霍公鳥
(大伴書持)

一四八二:皆人の待ちし卯の花散りぬとも
(大伴清繩)

一四八三:わが背子が屋戸の橘花をよみ
(庵君諸立)

一四八四:霍公鳥いたくな鳴きそ独り居て
(大伴坂上郎女)

一四八五:夏まけて咲きたる唐棣ひさかたの
(大伴家持)

一四八六:わが屋戸の花橘を霍公鳥
(大伴家持)

一四八七:霍公鳥思はずありき木の暗の
(大伴家持)

一四八八:何処には鳴きもしにけむ霍公鳥
(大伴家持)

一四八九:わが屋前の花橘は散り過ぎて
(大伴家持)

一四九〇:霍公鳥待てど来鳴かず菖蒲草
(大伴家持)

一五一一:夕されば小倉の山に鳴く鹿は
(崗本天皇)


一五一二:経もなく緯も定めず少女らが
(大津皇子)


一五一三:今朝の朝明雁が音聞きつ春日山
(穂積皇子)


一五一四:秋萩は咲くべくあるらしわが屋戸の
(穂積皇子)


一五一五:言しげき里に住まずは今朝鳴きし
(但馬皇女)


一五一六:秋山にもみつ木の葉の移りなば
(山部王)


一五一七:味酒三輪の祝の山照らす
(長屋王)


一五一八:天の川相向き立ちてわが恋ひし
(山上憶良)


一五一九:ひさかたの天の川瀬に船浮けて
(山上憶良)

一五二〇:牽牛は 織女と 天地の 別れし時ゆ
(山上憶良)

一五二一:風雲は二つの岸に通へどもわが遠妻の
(山上憶良)


一五二二:礫にも投げ越しつべき天の川
(山上憶良)

一五二三:秋風の吹きにし日よりいつしかと
(山上憶良)

一五二四:天の川いと川波は立たねども
(山上憶良)

一五二五:袖振らば見もかはしつべく近けども
(山上憶良)

一五二六:玉かぎる髣鬢に見えて別れなば
(山上憶良)

一五二七:牽牛の嬬迎へ船漕ぎ出らし
(山上憶良)

一五二八:霞立つ天の川原に君待つと
(山上憶良)

一五二九:天の川ふつの波音騒くなり
(山上憶良)


一五三〇:女郎花秋萩まじる蘆城の野
(作者不明)


一五三一:珠匣蘆城の川を今日見ては
(作者不明)


一五三二:草枕旅行く人も行き触れば
(笠金村)


一五三三:伊香山野辺に咲きたる萩見れば
(笠金村)


一五三四:女郎花秋萩手折れ玉鉾の
(石川老夫)


一五三五:わが背子を何時そ今かと待つなへに
(藤原宇合)


一五三六:暮に逢ひて朝面無み隠野の
(縁達師)

一五三七:秋の野に咲きたる花を指折り
(山上憶良)

一五三八:萩の花尾花葛花瞿麦の花
(山上憶良)

一五三九:秋の田の穂田を雁が音闇けくに
(聖武天皇)

一五四〇:今朝の朝明雁が音寒く聞きしなへ
(聖武天皇)

一五四一:わが岡にさ男鹿来鳴く初萩の
(大伴旅人)


一五四二:わが岡の秋萩の花風をいたみ
(大伴旅人)


一五四三:秋の露は移にありけり水鳥の
(三原王)


一五四四:牽牛の思ひますらむ情より
(湯原王)


一五四五:織女の袖つぐ夜の暁は
(湯原王)


一五四六:妹許とわが行く道の川にあれば
(市原王)


一五四七:さ男鹿の萩に貫き置ける露の白珠
(藤原八束)


一五四八:咲く花もをそろはうきを晩なる
(大伴坂上郎女)


一五四九:射目立てて跡見の丘辺の瞿麦が花
(紀鹿人)

一五五〇:秋萩の散りのまがひに呼び立てて
(湯原王)


一五五一:時待ちてふりし時雨の雨止みぬ
(市原王)


一五五二:夕月夜心もしのに白露の
(湯原王)


一五五三:時雨の雨間無くし降れば三笠山
(大伴稲公)


一五五四:大君の三笠の山の黄葉は
(大伴家持)

一五五五:秋立ちて幾日もあらねばこの寝ぬる
(安貴王)

一五五六:秋田刈る仮廬もいまだ壊たねば
(忌部首黒麿)

一五五七:明日香川行き廻る丘の秋萩は
(丹比真人国人)

一五五八:鶉鳴く古りにし郷の秋萩を
(豊浦寺の沙弥尼)

一五五九:秋萩は盛りすぐるを徒らに
(豊浦寺の沙弥尼)

一五六〇:妹が目を始見の崎の秋萩は
(大伴坂上郎女)

一五六一:吉名張の猪養の山に伏す鹿の
(大伴坂上郎女)

一五六二:誰聞きつ此間ゆ鳴き渡る雁がねの
(巫部麻蘇娘子)

一五六三:聞きつやと妹が問はせる雁が音は
(大伴家持)

一五六四:秋づけば尾花が上に置く露の
(日置長枝娘子)

一五六五:わが屋戸の一群萩を思ふ児に
(大伴家持)

一五六六:ひさかたの雨間もおかず雲隠り
(大伴家持)

一五六七:雲隠り鳴くなる雁の去きて居む
(大伴家持)

一五六八:雨隠り情いぶせみ出で見れば
(大伴家持)

一五六九:雨晴れて清く照りたるこの月夜
(大伴家持)

一五七〇:此処にありて春日や何処雨障
(藤原八束)

一五七一:春日野に時雨ふる見ゆ明日よりは
(藤原八束)

一五七二:わが屋戸の草花が上の白露を
(大伴家持)

一五七三:秋の雨に濡れつつをれば賤しけど
(大伴利上)

一六三六:大口の真神が原に降る雪は
(舎人娘子)

一六三七:はだすすき尾花逆葺き黒木もち
(元正天皇)

一六三八:あおによし奈良の山なる黒木もち
(聖武天皇)

一六三九:淡雪のほどろほどろに降り敷けば
(大伴旅人)

一六五八:わが背子と二人見ませば幾許か
(光明皇后)

(巻八についてもまた追加して行きますね)



万葉集全巻一覧
万葉集全歌一覧(巻一 〜 巻四)

万葉集全歌一覧(巻五 〜 巻八)
(万葉集の全歌一覧ページです。)

巻一  巻二  巻三  巻四

巻五  巻六  巻七  巻八

巻十六

(他の巻もまた追加していきます)

万葉集入門(トップページへ戻る)

当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015-1018 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)

スポンサード リンク